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2/3(日)憧れの別府大分マラソンに出てきました。
ハセツネ2018参戦記 その④ラスト
ゴールして無料で貰えるトン汁を食べたらやることがなく、駐車場に戻る。スマホを見るとKさんも15時間オーバーでのゴールだった。12-13時間位では行けるだろうと思っていたので、やはり苦しんだんだなって思う。寝ないで家まで運転して帰ろうとしたが、途中の高速道路で何度も意識が飛びそうになり、途中のSAに入って2時間くらい寝た。
レースから2週間経ち、色々な人のブログを読んでみたのだが、順調にスイスイ走ってたなんて人は皆無。みんな七転八倒しながら進んでいたようだ。こういうのを読むと、諦めないで良かったと思う。レース中は「なんで俺は本番に弱いんだ…」と情けなく思っていて「本調子じゃないんだからやめちゃいな」という悪魔の誘惑は常に頭の中にあったけど、これに屈して本当にやめていて、でも周囲のほぼ全員が同じような状態だったことを後で知ったら自己嫌悪が半端なかったと思う。
確かに思い返してみると、自分の周囲の人達は弱っていたけど力強かったし走れるところはキッチリ走っていた。明るくなってからゴールする人は、フルマラソンで言えば5時間近くかかるようなファンランの人なのかとスタート前は思っていたけれど、歩き方・走り方を見る限り、明らかにガチランナー達ばかりだった。みんな苦しんだ結果、あの辺りに居たのだろう。
自分が途中でやめなかったのは、まったくポジティブな理由ではなくて、単なる恐怖心。最低中の最低ラインとして何が何でも完走、這ってでも完走、という覚悟でいたのに、アッサリやめたくなる弱さとそれに負けた自分が後で許せなくなることは明らかで、それが怖くてとにかく前に進んだ。レース前にメンタルやられた時の為に用意した色々な言葉はどれも全く効果なし。今回のテーマソングはこれだ!と会場に向かう車の中で聞き続けたエレカシのEasy Goはレース中も頭の中でヘビロテしてくれたが、前向き過ぎて自分の状態と乖離しすぎていて直接的な効果はまるでなし。但し奥底を流れるエレカシの「男の痩せ我慢」的な感覚にはちょっとだけ励まされた。負け戦にだって美学があんだろーがよ!ってな感じで。(今になると意味わかんないけど)
レース後の体の状態は、翌日も特に筋肉痛などなし。レースで追い込めなかったのもそうだけど、この夏毎週のように山を登ったり降りたりしてきたことで、山の中30-50Kmくらい走っても全然筋肉痛にならなくなっていた。速くはなってないけど強くはなってると思った。これをどう速さに変換していくかが今後の課題。速さと言えばレース5日後に10KmTTをやってみた。43分40秒位。半年以上平地を速く走る練習を全然してないので今の実力的にもこんなもんだと思われ、全然普通に走れるじゃんと思っていたら翌日から身体の火照りが復活。でも飲み会が詰まっていて連日飲んでたら木曜日に会社で謎の激腹痛。早退して医者に行ったら胃炎でしょう、ストレスが溜まってたのでは?とのこと。精神的なストレスはゼロの自負があるので、ハセツネの負荷に酒を注入したとこで胃が悲鳴を上げたんだと思う。おとなしく今日まで3日間ずっと寝てる。枕もとでポカリ飲んでるけど普通においしい。何だったんだろう?
ハセツネのことを思い出すと、辛かった思い出は薄くなっていて、だからと言って楽しかったことはほとんどないんだけど「もうちょっとやれたかな?」という気持ちになっている。完走できる体力はもうあるので、スピードに特化した練習を1年やってみよう、水分は全部真水にして、ポカリとOS-1は粉末を持っていき適宜溶かせばいいじゃないか、とか考え始めている。
思い起こせば、俺の人生何事もすんなりいった試しがない。けど諦めずにしつこくしつこく粘る、負けたままで終わらせないことで何とかここまでやってきた。去年はリタイア、今年は18時間で完走。全く思い通りにはいってないけど、でも前進はしている。来年は選挙の関係で開催時期が遅い年。初めて寒いハセツネを走れる筈。来年こそは笑ってゴールできるように、頑張っていこうと思います。
ハセツネ2018参戦記 その③
第二関門で水を貰う。入れてくれるお兄さんに「鞘口峠で水が切れて…」なんて話をしたら「自分も去年出たんですけどやっぱり水が切れて大変でしたよ」と言いながら1.7Lくらい入れてくれた。ちょっとサービス。本当にありがたい。500mlくらい一気飲み。カラカラに渇いた身体に染み渡る。人生で一番うまい水だった。
さぁこれからどうする?第二関門はいくつもの投光器で昼のように明るく照らされており、ブルーシートの上には寝ているランナーが大勢いる。こんなところに長居しても里心がつくだけだ。固形物を全く取ってなかったのでエネモチを無理矢理押し込む。半分食べれた。今までとてもおいしく感じていたのにクソまずい。味覚障害でも起きているのだろう。ちょっと悩んだが、劇薬のベスパハイパーも投入する。発汗作用があるのと、余計気持ち悪くなるリスクはあるが、もうトボトボ歩くのはごめんだ!と思った。ゴールまで残り30Kmだが、厳しいのはここから12Km弱。4.5Km先の2つ目のボス御前山を越えれば3.2Km先の大ダワまでは下り、そこから4Kmでラスボス大岳山を抜ければもうキツい傾斜はない。大岳山がゴールのつもりで行こう。そこから先は気持ちで何とでもなる筈だ。
第二関門の先は広々とした下りで、前方には全く人が居なくて地獄の底に落ちていくようだ。水の心配がなくなったので飛ばす。このまま行こう!でも2Kmほどで潰れる。身体が熱い、気持ち悪い。ダメだ…。寝る。寒くなって起きる。ヨロヨロと歩く。しばらく歩くと10人ほどの大集団に追いつく。もうちょっと速く歩けるけど抜かすような気力もなく後ろを歩いて登り続ける。試走の時はアッサリ登った記憶しかないが、いつまで登っても着かない。うんざりしたころ山頂へ。大勢休んでいるが俺は知っている。ここは惣岳山で御前山ではない。10人中2-3人は休まず進むのでそっちについていく。御前山600mの道標がある。御前山で休もう。暫く進んでもうすぐかな?と思ったら御前山400mの道標。あんだけ進んだのにたった200mか…。感覚もおかしくなってる。雨も降ってきた。身体が冷えてちょうどいい。延々登って御前山山頂。雨の中シェルを出すのも面倒で濡れたままベンチに座ってしばらくうつむく。
身体が冷えたので出発。下り基調。前の人が、頑張ればついていける程度の良いペースで走る。キツいけどこの人につこう、離されたらまたズルズル遅れてしまう、と頑張ってつく。何とか3.2Kmをほぼ走り切り大ダワ到着。ここはアスファルトの林道が通っていて公衆トイレがある場所で、大会テントが4つ程建っているのだが入り口にでかく「リタイア受付。テントに入った時点で失格」と書かれている。テントの中は明るく毛布とか置いている。何という格差だ。その前を通り過ぎて暗がりのアスファルトの上にゴロ寝する。周囲にも寝てる人が20人くらい。シェルを着たり保温シートにくるまっているが自分は暑くて仕方がないので半袖短パンのまま寝る。アスファルトが冷たくて気持ちいい。寒くなって起きる。出発前にハイドレの水を吸うとズズズッ。んあ?また水が切れた!沢山あると思ってガブ飲みしてたからだ。次の湧水まで5Kmはある。大岳山を越えたところだ。また水無し地獄か…。
前後に人も居なくなり、暗闇をトボトボ歩く。大岳山手前の約3Kmは傾斜が緩く、試走時はKさんと「ここまでに足を残してここを走れるかでタイムが変わりますねぇ」なんて話していたのだが、全歩きするとは思わなかった。でも仕方がない。水が無いので体温を上げられない。大岳山への急登が始まる。登り続けられないが傾斜がキツく寝る場所がない。木に寄りかかり体育座りで目を閉じる。寝る。寒くて起きる。立ち上がってノロノロと登る。延々登ると女性スタッフの声がする。山頂だ。「お疲れ様!」と言われるが「水場はどこです?」と聞く。失礼な対応だがもう喉が渇いて気が狂いそう。「370m。私の脚でゆっくり行って13分でした」淀みなく答えてくれる。もうこれまで何十回も聞かれたのだろうし、ハセツネ経験者なんだろう。必要な情報をちゃんと用意してくれている。ありがたい。しかし370mに13分って遅すぎないか?
下り始めてすぐ分かった。メチャクチャ急斜面でスピード出ない。水のことだけ考えて必死に下る。もういい加減10分以上下ったろ!と思ったら男性スタッフが立っていたので水は?と聞くと「200m先です」。…絶望を通り越して何の感情も沸かない。
水場に着いたが10人以上並んでいる。そんなに勢いよく出ていないので一人1分以上かけて汲んでいる。コラコラ、汲みながら飲むんじゃない!ほら次の容器を出す間にも貴重な水が流れてしまってるじゃないか!とか思いながら血走った目で水を見つめる。ようやく自分の番。後ろの人には申し訳ないが自分も汲みながら500ml一気飲み。うまい!1L汲んで列から出て750mlまた一気飲み。あーうまい。水場はここから2Km先、3Km先にも1ヶ所ずつあるのを知っているのでそんなに残す必要はない。ここから先はようやく一切水の心配をしなくてよくなる。気が楽になって数人の集団と一緒にゆっくり走りながら下る。
2Kmほど走って次の水場、綾広の滝。3人くらい並んでたので素通り。次の御岳神社の手水は複数人で汲めるのでそっちで汲もう。綾広の滝からちょっと登る。集団はそのまま走る人と歩く人に分かれる。ちょっと走ってから歩こうと思っていたら…ん?あれ?全然走れる。もう40Km近く登りは全歩きだったのに走れる。よく考えたら気持ち悪くもなくなってる。そのまま走って登る。あれ?無性に調子がいい。集団の前に出てペースを上げる。気がつけば空も真っ暗から灰色に変わってきた。もう朝なんだ。
歓声が聞こえる。第3関門の長尾平。直前の登りも元気に走って「ナイスラーン」と言われながら止まらず通過。こんな朝5時頃に大勢の声援、本当にありがたい。御岳神社の脇を下り手水に行くと、ウサギ耳をつけたかわいい女の子が一人で応援している。水を汲みながら「一晩中応援ですか?すごいなぁ怖くなかったですか?」と言うと「去年は走ったんです。でも遅いんで23時間50分かかってビリでした」とのこと。「俺は去年リタイアだったから俺より上だよ」と言いながらジェルを飲む。普通に飲める。おいおい、今まで飲めなかったのは何だったんだよ!女の子に「じゃ、ラスト行ってきます」と言い走り出す。誘導スタッフに「ここにきて軽快な走りですねー」と褒められる。うん。ここまで遅すぎて全然足疲れてないもん。
ラストの登り、日の出山もストックをガシガシ突いてパワーウォークで強引に登る。スタッフが「おはようございます」と声を掛けてくる。完全に朝だ。日の出山に明るくなってから到着するなんて全く想定してなかったなぁ。山頂から見える景色は綺麗だった。夜景だったらもっと綺麗だったのかな。ここから先はほぼ緩やかな下り。ストックとライトをザックにしまう。ジェルと水を流し込む。時計を見ると5時58分、スタートしてから16時間58分経っていた。ラスト11Km。キロ5’30で行ければ17時間台か。下り基調とは言え常識的には無理だが、もう残された目標はこんなもんしかない、狙ってみようと思い走り出す。
最初は段差の全く合わない走りにくい階段。全然スピード出ない。キロ9分台。クソ。次の1Kmも結構登りがあってキロ7分台。クソ、根性見せろよ!更に飛ばす。他のランナーとのスピード差は圧倒的で、見えたらあっという間に目の前に迫り「右行きます!」と声をかけて抜く。キロ6分台。たまに抜かれた後ついてこようとするランナーの気配を感じる。更にペースをあげて振り切る。ようやく5分台に入る。4分台まで上げろ!と吹っ飛ぶ覚悟でメチャクチャに走るが5’10くらいが限界。追い込んで走るのは最初は気持ちよかったが段々悲しくなってきた。この金毘羅尾根は暗いうちに走る筈だったし、三頭山や御前山でこの足は使いたかった。結局ボロボロに負けたなぁ…って思ってたら涙腺が崩壊して視界がボヤけてきた。
舗装道路に入った。更に飛ばす。ふとゴール前どうしよう?って思う。これ位の距離のトレランはみんなゆっくり手を振りながらゴールするし、その状態の前のランナーを猛ダッシュで抜かすのも全く粋じゃない。でも苦しんで苦しんで苦しみ抜いた今回のレースは、苦しいままゴールしたくて、ゴール直前に誰かが居たらスピード落とす、居なかったらそのまま駆け抜ける、と思いキロ4くらいまでペースを上げて住宅街を走る。最後の角を曲がると誰も居ない。スピードを落とさずガッツポーズもせずにそのままゴールした。ゴールタイム18時間5分。地べたに座ってトン汁飲みながら「とにかく終わった。人生の中でも文句なしに一番辛かった。俺にはトレイルランは向いていない。もう2度とやらない」って思った。
ハセツネ2018参戦記 その②
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ハセツネ2018参戦記 その①
2018.10.7 日本山岳耐久レース 通称ハセツネに参戦してきました。
昨年第一関門で早々にリタイアしてしまったリベンジの位置づけです。リタイアの原因になったのは、強烈な気持ち悪さがスタート直後から発生してゲーゲー吐いてしまい、脱水を恐れて水を飲みまくり水が切れてしまったことですが、それ以前に試走してなかったり夜間走行の経験が低かったりと色々反省点がありました。それを補うべく、今年のハセツネに参加する唯一の友人であるKさんと前半後半に分けてハセツネコースを2回試走したり、朝3時から箱根の山をヘッデン付けて登ったり、雨の山に行ったりと、着々と準備をしてきました。仕上げは2週間前の箱根外輪山1周50Km。ここから疲労を抜いていざ本番。自分の中では、やれる準備を全てやり切った感がありました。
目標タイムは15時間。制限時間は24時間なので完走だけなら歩いてでも出来るという噂。だったら目標を完走にするのは甘いんじゃないかということで、現実味はあるけどしっかり準備しなければ難しいラインで15時間を設定。
第一関門:4時間半
第二関門:9時間
第三関門:13時間
これで15時間ゴールが狙えそうです。試走では第一関門は4時間半で行けてるものの、第二関門の推定到達時間(その手前で終了しているので)は、約10時間。チャレンジしてやろうと思っていました。
しかし当日は、まさかの酷暑。一部予報では32℃に達するとのこと。暑さにめっぽう弱い自分は、この時点で15時間は不可能だと思いました。自分は他の人より水を沢山飲むのですが、第二関門(42Km)まで補給が一切ないこのレースでは30℃超えともなると4Lは持って行く必要があります。他の装備も合わせると重量6Kg。走れる重さじゃない!でもじゃぁ何を目標に走るのか?と考えたところで特に出てこない。だったらやっぱり6Kg背負ってでも15時間を目指すべきだろうと考えながら現地入り。但し無茶すると完走すら難しくなるので、ダメだと思ったらすぐ下方修正するということで。
当日。昨年の気持ち悪さの原因は、BCAAの粉と飯の食いすぎと考え、今年は粉無し、固形飯は具無しおにぎり一つだけでゼリー飲料でカロリー補充して会場入り。Kさんと落ち合い他愛もない会話をするが、自分は緊張しててあまり会話に集中できない。サブスリー目前のKさんは一番速いグループでスタートする。自分は2番目のグループにするか3番目にするか迷う。ハセツネはスタート1Km過ぎでいきなり渋滞する。最後尾からスタートすると40分も待たされるらしい。バカバカしいので早めに並んだ方がいいのだが、渋滞後のコースは狭くて1-2列で進むので、早く並びすぎると後ろから追い立てられまくって消耗する。悩んだ末に一旦2番目に並ぶが、列移動中に気が変わり1番目の最後尾に付ける。やっぱ強気でいかなきゃね。
エイエイオーの後、カウントダウンしていよいよ13時スタート。富士登山競走のエイエイオーは高ぶってしまって声が詰まって言えなかったが(笑)、今回は長丁場なのでそんなに気合も入らず普通にエイエイオーして出発。適当に抜かれながら1Km通過。トレイルに入ったところで渋滞。しかしコースが去年より整備されているのと前の方に並んだこともあり7-8分程度で渋滞を抜ける。しかし暑い。周囲も身体から汗をダラダラ流してる。一旦舗装道路に出る。LAPタイムは5’20程度。6Kgを背負ってジョグ感覚でこのタイムは悪くない。よし。調子は悪くない。去年はこの辺りで明らかに調子悪かった。とにかく気持ち悪くなるのが怖い。
今熊神社から再びトレイルに入る。後はほんの数百メートルを除いてゴール手前までずっと山の中。周囲と同じペースで登る。去年より前のポジションに居るが周囲のペースが遅く感じる。去年はこの時点でキツくて仕方なかった。去年とは違うと一安心。水分は、水をハイドレに1.5L、ポカリ1L、OS-1を1L、コーラを0.5Lと合計4L持っている。重くて仕方ないし汗をダラダラかいているので積極的に飲む。こんだけ持ってりゃ足りなくなることはないだろう。飲み放題だーなんて思っていた。さらに、残量が分かりにくいハイドレの水から先にゴクゴク飲む。これが後の地獄に繋がるとも知らずに…。
7Km地点の入山峠到着1時間28分。10分ほど遅いが渋滞を考えると予定通り。ここから上げていこう。次の観測地点の市道山分岐には2時間25分には着きたい。だがこの入山峠から市道山分岐までの峰見通りがハセツネ最高強度の難所。拷問のようなアップダウンが続く。速すぎは禁物。周囲のペースが速すぎたら列を離れてでゆっくり行こうと思っていた。ところが…ちょくちょく渋滞しておりペースも遅く市道山分岐到着2時間35分。あれ?結構前の方の集団に居る筈なのになぜこんなに遅い?みんな暑さで自重しているのか。まぁいい。とにかく去年はここまでで吐きまくってたけど今年は絶好調。10分程度の遅れは後半いくらでも挽回できる筈。この時点で早くも座り込んでる人が何人も居る。去年の自分を見ているようだ。
3時間10分で醍醐丸到着。ちょっと遅いがまぁ許容範囲。ちょっと疲れてきたので醍醐丸から下ったところで一旦コーラ休憩しよう。丸太に腰掛けてコーラを飲むとギュっと胃が締め付けられる感覚。おっとゼリーやジェルしか入ってない胃に炭酸はきつかったかな?と思ったとたん、絶望的な気持ちの悪さが襲ってきた。やべ、なんだこりゃ?インスリンショックか?今までも散々運動中にコーラ飲んできたのに、こんなことになるのは初めて。気持ち悪すぎて動けない。とりあえずガスター10を飲む。そんなすぐに効くわけがないので暫くじっとしてる。参ったな。数分を削って走ってるのに10分くらい動けない。
暫くしてだいぶマシになってきたので動き始めるが気持ち悪くて速く動けない。そしてジェルなどは口に入れる気が全くしない。あんなの入れたら吐くのは確実。更にまずいことにポカリを飲んでみたら吐きそうになった。OS-1も同じ。水はOK。コーラは試す気もしない。なんだこりゃ?水4L持ってきたのに使えるのは1.5Lってことか?更にここまで水ばっかり飲んできたから既に半分くらい減ってる筈だ。
ガスター10が効くことを期待しながら1時間近くノロノロ動いてきたが状況は改善していない。「パニくるなよ。去年はパニくって失敗した。去年と同じ状況に陥った訳だが、俺の成長が試されていると冷静に受け止めよう。とにかく一旦落ち着こうじゃないか」とブツブツ呟く。
まず目標だが、もう15時間はスパッと捨てよう。現時点でも遅れているしこの状態では無理だ。とにかく目標は完走。24時間かかったとしても絶対にゴールラインは踏もう。完走を目的にやれることを一つひとつやろう。そして現在、単なる重りでしかないポカリ・OS-1・コーラをどうするか?これをは飲めるようにするしかない。水の残量0.7Lだけで、水が貰える第二関門の42Km地点に行くのは不可能だ。ジェル類も同様。食えなきゃ完走はできない。少しでもいいからとにかく入れること。
ポカリを飲んでみる。強烈な吐き気。戻したいがグッと堪える。後味が悪すぎるので少量の水を含み口の中をゆすいで飲み込む。動きながらだと吐き出してしまいそうなので停まる必要があるが、これなら何とかなりそうだ。ジェルも同じ。我慢して入れて水でゆすぐ。飲んだ後強烈な吐き気を伴うが仕方ない。とにかくこのやり方で42Km地点までたどり着き1.5Lの水を追加で貰うしか俺が完走する道はない。
目標の4時間半で第一関門の浅間峠(22Km地点)に着ければ、そこまではライト無しで行ける筈だったのだが、4時間半の時点でまだ2Km以上手前。途中でライトを装着する。頭に1つ。腰に1つ。スピードの遅い登りは頭のライトだけ使い、下りは腰のライトも付ける。替えの電池は頭のライト用しか持ってきていない。腰ライトは節約して使う。
5時間7分で浅間峠到着。盛大にトラブった割には40分程度の遅れに抑えた。ここは東屋がポツンと建ってるだけの場所なのだが、ハセツネ中は明かりが灯り応援者が沢山いて大賑わい。暗闇の中を進んできて寂しくなった心を暖かくしてくれる。腰をおろすと、係員にリタイア申告する選手が大勢いることに気づく。やはりこの暑さが堪えているようだ。自分もこの気持ち悪さを我慢して、更に、飲めば気持ち悪くなることが分かっている飲み物やジェルをこれから先も飲み続けるというセルフ拷問行為にうんざりしていて、リタイアしたいなぁリタイアしたら楽になるんだろうなぁって心底思う。でもリタイアしたら絶対に後で強烈な後悔に襲われることは分かり切っている。こんな暖かいところに長居したって弱気になるだけだ。さっさと出発しよう。Kさんも1時間以上前に出発している筈だ。後を追うんだ。
ここから使えるポールを組み立てて、2時間先にある西原峠を目指してまた闇の中に入って行った。
丹沢・大山やまなみ登頂スタンプラリー 1dayトライ
9/8(土)丹沢・大山やまなみ登頂スタンプラリーに行ってきました。
1年くらい前から「これ1日でできんじゃね?」と思って地図眺めてて、実際ブログにも1日でやってる記事がいくつかあったし、それほど難易度高くないんじゃなかろうかと。
大山と大倉のどっちをスタート地点にするかは、スタンプ設置場所の開く時間を見ると、大山観光案内所が9:00、大倉の「手打ちそば さか間」さんが8:00なので必然的に大倉スタート。一応大倉の「さか間」さんは休日はスタンプを外に出しておいてくれてるらしいので、もっと早く出発しても良いのだが、次に行く鍋割山荘は10:00にならないとスタンプ押せないらしいので、あんまり早く行っても仕方ないなぁと、大倉8:00を目指して家を出ることにした。ゴールの大山観光案内所のタイムリミットは17:00なので9時間勝負。普通に行けば大丈夫だとは思うのだが…。
<行程>
渋沢駅→大倉→二俣→鍋割山荘→塔ノ岳尊仏山荘→丹沢山みやま山荘→塔ノ岳尊仏山荘に戻って表尾根→ヤビツ峠→大山山頂→大山観光案内所
渋沢駅到着7:20頃。軽くジョグして途中のセブンイレブン秦野堀西店でスタンプラリーの台紙を購入。大倉到着7:55。ハセツネ練習も兼ねてるので途中の山小屋で何も買わないように水3.5Lと食料をすべて持っている。重い。そして蒸し暑い。大倉までのロードでいきなり歩きが入る。あー今日は調子悪いなぁ、まぁゆっくり行こう。
大倉のお蕎麦屋さん、さか間の入り口にスタンプが見つからないので8:00になるまでボケっと待つ。8:00になって店に声かけると、店の外、入り口左側にポツンとスタンプが置いてあった。なんだ。スタンプ押して先に進む。次の鍋割山には10:00に着けば良し。まぁ一応トレイルランナーなのでチンタラ行っても着くでしょう。調子も悪いし。西山林道を走ったり歩いたりしながら進み、尾根筋をダラダラ登ってたら雨が激しく降り始めた。風も強い。下界は30℃超えで晴れの予報だったので雨具置いてきちゃった…。まぁでも涼しくて丁度いいやと進む。9:55頃、鍋割山荘到着。雨の中外で5分待って10時ちょうどに山荘に入る。
すると、すでに中で鍋焼きうどん食べてる人がいる!なんだ山小屋やってんじゃん、と山小屋のご主人にスタンプ押したいと言うと、入り口のところにあると。確かにあった。これ10時前に来ても全然大丈夫そうだ。
塔ノ岳に向かうと暴風雨。木々がバキバキ音を立てている。枝が折れて吹っ飛んできたらまずいな…と思う。風も強いし下ってると寒くなってくる。夏場は面倒なので雨降っても雨具着ないのだが、持ってて着ないのと持ってないのとでは心理的余裕が全然違う。これで低体温症にでもなったらシャレにならないし「軽装のトレランは…」って叩かれるんだろうな、って思うと今日はここでやめてバカ尾根を降りようかなって迷う。けどバカ尾根に合流すると自然と登ってしまった。塔ノ岳到着は10:50くらいだったか。尊仏山荘ではカウンターにスタンプがあった。ポンと押してまた暴風雨の外に出る。3秒くらい丹沢山に行くのをためらうが、まぁ片道30分くらいだった筈だし大丈夫だろうと向かう。ちょっと止まったので寒い。
雨がどんどん強くなる。登山道も水浸し。まだ靴下は濡れてないので濡らしたくなくて水たまりを避けながら進む。ペースは遅い。そのうち雷まで鳴り始める。風は強くて雨が痛い。寒い。ちょっとシャレにならないなぁと思っていたら丹沢山みやま山荘到着。11:30を回っていた。結構時間食った。登山者が大勢雨宿りをしているが時間がないのでカウンターのスタンプを押してすぐに塔ノ岳に引き返す。寒すぎる。
寒いので身体を温めようとスピードを上げる。行きに通ってきた道は川のようになっており、靴下はすでにビチャビチャ。もう気にせず水溜りに突っ込んで進む。蓋付のゼリー飲料を飲みながら歩いていたら蓋が落ちた。蓋を拾って左手に飲料、右手に蓋という状態で登山者が現れたので水溜りの中で横によけようとしたら、水溜りの中の木だか石だかにつまずいて顔から水溜りに突っ込む。ドロドロ。「驚かせて済みません」と言ったけど登山者は何も言わずに行ってしまった。まぁいいけどね。これをトレランの人がやったらまたマナーが悪いとかギャーギャー言われるんだろうなぁ。
塔ノ岳に戻る。12時までには戻ってきたかったけど12:15くらいになってしまった。表尾根は行ったことがないのでこの悪天候の中、大倉に戻るべきかちょっと迷ったが、結局表尾根に進む。降りていくと気温が上がってきて一安心。そして雨もあがった。ちょっとだけ下界が見えて、相模湾と街並みがきれいだった。
しばらく進むと鹿が何やら食べていた。こっちに気づいているのに逃げない。
ヤビツ峠到着14:40頃。30Kmを超えていてさすがに疲れた。売店でついレモンケーキを購入。売店で補給しないつもりだったのにジェル飲むのが嫌になってて…。ここから大山まで400~500mUP。標準時間で1時間5分ほど。ちょっと短すぎないか?売店のおじさんに聞くと「俺でも1時間で登れるからトレランなら40分くらいで行けるよ」とのこと。ふーん。もう疲れてるので標準時間の半分で行くのは厳しいけど、普通の人が1時間なら40分あれば十分かな?と登ったら50分かかった。遅ぇ。大山山頂到着15:40頃。
山頂のどこにもスタンプが見つからない。あっちウロウロこっちウロウロ。ベンチで休んでる人に「スタンプ…そこにないですよね」とか言って一緒に探して貰ったり。ちょっと下の社の隣の消火機とか入ってそうな赤い箱の中にあった。15:50。さぁあとは下るだけ、1時間あれば十分だべ、と思っていたが岩が雨で濡れてて滑りやすく全くスピードが上がらない。途中からちょっと焦り始めて全力で降りる。女坂を優しく下りたかったのに時間がないので男坂。16:40頃ようやく大山観光案内所に着くと閉まってる!17:00閉店じゃないんかい!と無理やり中に入るとスタンプ押してくれて景品の手拭くれた。あー良かった。伊勢原駅まで走るつもりだったのにもうすっかり走るのが嫌になっててバスに乗ってしまった。本日の走行距離、手元のガーミンで37Kmでした。
小田急線に乗る。自分がとてつもなく汗臭いことが分かっているので席に座らずドアの前に立っていたけど、近くのイケメン大学生が鼻に指を当てている。そしてカバンで鼻を押さえている。あー俺の匂いが臭いんだろうなぁ、でも他に行き場もないしイケメンに生まれた罰じゃ!オヤジの青春の匂いを喰らいやがれ!と2駅くらいそこに居た。でもやっぱり可哀想になってイケメンから離れると今度は近づいた老婦人がハンカチで鼻を押さえ始めた。完全に鼻つまみ者である。慌ててキョロキョロすると爆睡しているお姉さんがいたのでそっちサイドに立って一件落着。もう臭いまま公共交通機関に乗るのはやめようと大反省した次第。
<備忘録>
・雨降ってたからだと思うけど、水は結局3Lくらいしか飲まなかった。
・初めて試した固形補給食のエネモチはおいしくて使い勝手が非常に良い。